中学生のための国語のおすすめ50冊

ありがとう,貴嗣  わが子がくれた12年間の幸せ

ありがとう,貴嗣  わが子がくれた12年間の幸せ

詩歌

幻冬舎

岡田節子(おかだせつこ)

<入退院を繰り返しながらも「楽しいこと探し」を忘れなかった貴嗣君>

貴嗣(たかし)君は5歳で「心筋症」という心臓病と判明し,以後入退院を繰り返し,わずか12歳でその生涯を閉じました。常に突然死と隣り合わせの生活。さらに脳梗塞(のうこうそく)を起こし,体も口も動かすことができなくなってしまいます。寝たきりの生活の中,担任の先生がもってきたクラスメイトからの励ましのテープ。そのテープを聴いて,なんと動かなかった体が…。

貴嗣君は,闘病生活にあっても「人の役に立つことがしたい」と,お年寄りの前で人形劇をしたり,自分のおこづかいから金沢の小学校にいるウサギへにんじんを送ったりします。常に「楽しいこと探し」をし,自分の運命をうらんだり,なげいたりしたことはなかったそうです。

私たちは,多くの悩みや迷いを抱えて生きていますが,貴嗣君の生き方を知ると,少し強くなれる気がします。みなさんも,この本を読んで「楽しいこと探し」を始めてみませんか?  (Aさん)